ナマステ・インディア2026を終えて
「ナマステ・インディア」は、本年で31回目を迎えました。
初日は時折小雨がぱらつく時間もありましたが、2日目はほとんど雨に降られることもなく、朝から多くの方々にご来場いただきました。夕方に近づくにつれて人の波は途切れることなく、会場を歩けば、それぞれのお店に多くの人が集まり、各所に長い列ができるほどの賑わいとなりました。おかげさまで、2日間で約18万人の皆様にご来場いただき、大盛況のうちに終了することができました。
開会式には、ナグマ・モハメド・マリック駐日インド大使閣下にもご臨席いただきました。開会式の後、大使には、次第に賑わいを増していく会場を歩いていただきました。出店されている在日インド人の方々とも親しく交流されながら、さまざまなブースをご覧になりました。ごみの分別回収を行うエリアにもお連れし、何十人ものボランティアの皆さんが協力して、この大きなイベントを支えてくださっていることをご説明しました。大使は大変感心され、ボランティアの皆さんに感謝の言葉を述べられ、一緒に記念撮影をされました。
会場には、それぞれに工夫を凝らしたお店が立ち並び、その中を歩いていると、まるでインドの昔ながらのバザールを歩いているような雰囲気が感じられました。それは、一つひとつのお店をつくり上げてくださった出店者の皆様の努力によって生まれたものだと思います。
また、ワルリー画の体験コーナーも大変な賑わいでした。小さな子どもたちが、土壁を思わせる色に塗られた大きなキャンバスに、一生懸命ワルリー画を描いている姿はとても微笑ましく、印象に残りました。インドから来日したワルリーの人々は、会場内でインド大使を囲み、タルパーというひょうたんを使った伝統楽器を奏でながら、ステージでも披露した踊りを突然踊り始めました。大使をはじめ、その場に居合わせた多くの方々から大きな拍手が起こりました。予定されたプログラムだけではなく、こうした自然なふれあいの中から文化交流が生まれていく。それもナマステ・インディアの大切な魅力の一つなのだと思います。
私自身、会場を歩きながら、ご来場いただいた多くの皆様の表情や会場全体の雰囲気を見て、「今年もこのナマステ・インディアを開催することができて、本当によかった」と心から思いました。
1993年から続く、ナマステ・インディアの歩み
今年の開会式では、ナマステ・インディアの創設当時から関わられた元日本商工会議所国際部部長(元国際商工会議所日本委員会専務理事)山田清様から、当時のお話を伺う貴重な機会がありました。ナマステ・インディアの歴史は、1993年10月に始まります。第1回は「インドの夕べ」という名称で、東京商工会議所ビル7階の国際会議場を会場に開催されました。当時のインドは経済自由化を進め、「新しいインド」へと大きく変わろうとしていた時代でした。一方、日本ではまだインドに対する理解や関心が十分とはいえませんでした。これから経済交流を発展させていくためにも、まず相手の国の文化を知り、人と人とが理解し合うことが必要である。インドの文化や物産に直接触れ、インドという国をより深く知ってもらいたい。そのような思いから、この催しは始まりました。
第2回から名称を「ナマステ・インディア」とし、第2回から第7回までは墨田区の協力を得て「すみだリバーサイド」で開催されました。
その後、より多くの人々が参加できる会場を求め、築地本願寺のご協力をいただき、2000年の第8回から2004年の第12回まで、築地本願寺を会場として開催しました。駐車場広場にテントを立て、さまざまな団体や店舗が並び、舞踊や音楽、講演、インド料理、物産などを楽しむ現在のナマステ・インディアにつながる形が、次第につくられていきました。2002年の日印国交樹立50周年には、築地本願寺の本堂もお借りし、故中根千枝女史の講演や、インド文化交流評議会(ICCR)によるドゥルパッド声楽をはじめ、さまざまなインドの文化を紹介する催しが行われました。
しかし、日本経済の停滞が続く中、それまでの体制でナマステ・インディアを継続していくことが難しくなりました。
この催しを終わらせてしまうのか、それとも誰かが引き継ぐのか。
そのような状況の中、ミティラー美術館を拠点とする私たちが、このナマステ・インディアを引き継ぐことになりました。
2003年からNPO法人「日印交流を盛り上げる会」が事務局を担い、2005年、第13回ナマステ・インディアから主幹となり、会場を築地本願寺から代々木公園イベント広場へ移しました。それから規模を少しずつ拡大し、多くの皆様の力を借りながら、今日までこの催しを育ててきました。
振り返れば、1993年に東京商工会議所の国際会議場から始まった小さな催しが、墨田区、築地本願寺を経て代々木公園へと場所を移し、今日では18万人もの方々にお越しいただく催しとなりました。しかし、どれほど規模が大きくなっても、その根底にある思いは変わりません。今年の開会式で山田様から伺ったお話の中で、私が特に印象に残ったのは、「日本とインドの交流が、長く、しっかりと続いていくことが大切である」という、ナマステ・インディアが始まった当時からの思いです。一時的な交流ではなく、日本の中に日印交流がしっかりと根付き、次の世代へと長く続いていくこと。
1993年に蒔かれたその種が、多くの人々によって受け継がれ、育てられ、31回目となる今日につながっているのだと改めて感じました。
新型コロナウイルスの影響による休止もありましたが、それを乗り越え、再び多くの皆様に集まっていただけるナマステ・インディアを開催できることは、決して当たり前のことではありません。今年も約18万人もの皆様を迎え、無事に2日間を終えることができました。
ご来場いただいた皆様、ご協賛・ご後援をいただいた皆様、インド大使館をはじめとする関係機関の皆様、出演者の皆様、出店者の皆様、運営に携わったスタッフ、そして会場を支えてくださった多くのボランティアの皆様。ここですべてのお名前、企業・団体名を挙げることはできませんが、このナマステ・インディアに関わってくださったお一人おひとりに、心より御礼申し上げます。
皆様とともに31回目のナマステ・インディアを無事に終えることができましたことを、心からうれしく思います。
そして、来年2027年は、日本とインドの国交樹立75周年という大きな節目の年を迎えます。開会式でナグマ・モハメド・マリック駐日インド大使閣下も、「来年は日印国交樹立75周年という節目の年であり、このイベントがさらに素晴らしいものになるでしょう」と期待を寄せてくださいました。
1993年から多くの方々によって築かれてきた日印交流の歩みを大切にしながら、75周年という記念すべき年のナマステ・インディアが、さらに多くの人々が出会い、互いの文化を知り、交流を深める場となるよう努めてまいります。
来年、また皆様とナマステ・インディアでお会いできることを楽しみにしております。
改めまして、ご来場、ご協力いただきましたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
ナマステ・インディア実行委員会
実行委員長 長谷川時夫
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